<西武5-3楽天>◇13日◇西武ドーム

 中島離脱の緊急事態を代役3番が救った。西武の3番栗山巧外野手(26)が同点で迎えた8回、2死一、二塁で決勝の左二塁打を放った。打率4割3厘と絶好調だった3番中島裕之内野手(27)が右脇腹痛で欠場する苦境を乗り切り、再び貯金2で単独2位に立った。

 “代役”が“主役”になった。中島の代わりに3番に入った栗山がやってくれた。8回2死一、二塁。楽天辛島の直球をとらえた。打球は左中間を真っ二つに割り、試合を決めた。「(前の)原の四球に勇気をもらった。絶対に何とかしてやろうと。すごくいい当たりでした」。まず自分の代わりに2番に入った後輩を褒めた。そして、力強く自画自賛した。

 緊急事態だった。試合の「すごく直前」(渡辺監督)に中島の欠場が決まった。昨季リーグで唯一のフルイニング出場を果たした絶対的支柱。今季も開幕から絶好調のバットでチームをけん引してきた。そんな大黒柱の代役指名にも、過剰な意識はしなかった。今年のオープン戦では、故障で離脱した中村に代わって4番も打った。その経験が生きた。「僕はあの人たちの代わりはできない。突然でビックリしたけど、自分のやることは変わらない。打順も1つしか変わらないですしね」。打順は変わっても、自分は変えなかった。

 この一打は中島のおかげでもあった。ずっとボールを引きつけて打つことがテーマで、そのお手本が中島だった。研究熱心な男は普段の練習から観察していた。そして、ベンチ前の手すりにバットを載せて、手すりに沿って水平に振る姿を発見、すぐに取り入れた。「すごくいい練習法を見つけたんです。ボールを引きつけて、手で押し込めるんですよ」と目を輝かせながら、効果を力説した。

 苦しみながらの勝利に渡辺監督も「(中島の不在で)みんなの心が1つになった。(栗山が)よくかえしてくれた。あれが一番のポイント」と興奮気味に振り返った。そのヒーローはもう次を見ていた。「僕はやれることをやるだけ。あとはもう少し積極性が出てくればな、という感じです」。3番としての欲も出てきた。中島が帰ってくるまで、西武の3番は栗山だ。【亀山泰宏】

 [2010年4月14日9時42分

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