<西武3-1ロッテ>◇28日◇西武ドーム

 節目に強い男が、西武を今季初の単独首位へと導いた。石井一久投手(36)が7回4安打1失点と力投。2回に1点を失ってからは、好調ロッテ打線を寄せ付けなかった。課題の立ち上がりを最少失点でしのぐと、終盤には奪三振ショーだ。7三振のうち3つが見逃し。6回にはサブローと南を連続で、7回には今江を、いずれも140キロ前後の直球を絶妙に制球し「三振が欲しい場面は、狙いました」。いつものひょうひょうとした口ぶりに、自信があふれた。

 昨季9勝と不本意に終わり、V逸の責任を感じていた。春季キャンプから目の色を変え「数年ぶり」というウエートトレを再開し、肉体改造のためプロテインまで飲んだ。自宅と球場間の移動に利用する送迎ハイヤーも、米国車から国産車に代えて心機一転。この日は、練習開始時間ギリギリにグラウンドに到着した。潮崎投手コーチに「1分遅刻」と冗談で言われたが、「僕の中じゃ遅刻は5分からなんで」と余裕たっぷりに笑った。結果を求められたマウンドで、誰にも文句を言わせなかった。

 西武ドームでは今季4戦3勝。思い出されるのは、優勝した08年だ。移籍1年目に11勝したうち10勝を西武ドームで挙げ、「所沢っ子」と自称して本拠地ファンのハートをつかんだ。ユーモアあふれるコメントを繰り出すお立ち台への期待が高まったが「今年はブルペンの助けが大きい」と藤田に譲った。昨年は終盤に逆転されるケースが多く、歯がゆい思いをしただけに、感謝の思いはなおさら強い。

 石井一の3勝目で首位に立つ、というのもまた縁起がいい。08年は4月5日に3勝目を挙げて首位に立つとそのまま独走し、日本一まで突っ走った。今季2度目の4連勝で首位に浮上し「もっと爆発力があるチーム。まだ限界じゃない」。優勝の味を知るベテラン左腕の好調ぶりをはじめ、2年前との数々の共通点が、レオ軍団の快進撃を予感させた。【亀山泰宏】

 [2010年4月29日9時16分

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