不振で2軍再調整中のソフトバンク松中信彦外野手(36)が、1軍復帰への「最終テスト」を受ける。11日からのウエスタン・リーグ中日3連戦(ナゴヤ)では、すべて左翼の守備で出場する見込み。DH制のある18日阪神戦(福岡ヤフードーム)からの復帰が濃厚だが、早ければ15日ヤクルト戦(神宮)で1軍復帰する可能性も出てきた。骨折離脱した「松田ショック」に揺れるチームの救世主になるべく、主砲がアクセルを全開にする。

 主砲の1軍復帰が、秒読み段階に入った。不振で2軍再調整中の松中が、最終アピールを行う。11日からの2軍中日3連戦に備えこの日、福岡空港から名古屋へ移動。「3つとも守るよ」と、すべて左翼で出場する考えを明かした。

 打撃不振による再調整中だが、最終チェックポイントは守備に置いた。「この3つ守って、ちゃんとできれば上の段階に入れると思う」。8日の2軍オリックス戦(雁の巣)でも約9カ月ぶりの左翼守備についたが、6回で交代していた。

 守備や走塁が問題なくできるようになれば、本来の打撃が取り戻せるという考えだ。「2軍でトレーニングして下半身もしっかりしてきた。もう少し」。2軍ではここまで8試合に出場し打率3割9分3厘、2本塁打と打撃は上向き。3連戦フルで守備につくことで、打撃の土台となるどっしりとした下半身を取り戻すつもりだ。

 弟分の離脱も、早期復帰の思いを強くした。前日9日に松田の左手有鉤(ゆうこう)骨骨折が判明。4年連続でグアム自主トレに帯同させるなど、公私ともにかわいがってきた。「昨日の夜『やっちゃいました』と電話があったよ」。有鉤骨は強打を誇るスラッガーに多い故障個所とも言われるが「どうかな。(松田の)打ち方が悪いだけ。俺はなったことないし」。期待する弟分だからこそ、あえて厳しい言葉になった。

 DH制のある18日阪神戦(福岡ヤフードーム)からの復帰が濃厚だが、打撃も守備も万全なら15日ヤクルト戦(神宮)での1軍復帰も考えられる。弟分の離脱に「みんなでカバーするしかない」と話した主砲が、間もなく1軍に戻ってくる。【倉成孝史】

 [2010年5月11日12時11分

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