<巨人9-1西武>◇13日◇東京ドーム

 巨人原辰徳監督(51)が史上26人目の通算500勝を達成した。2回に阿部のソロで先制すると、坂本の今季初となる1試合2本塁打、エドガーの来日初アーチなど、13安打で9点を奪い、12日完敗した西武に雪辱した。7回1失点の先発藤井は3連勝。巨人監督では5人目となる大台到達を、投打のかみ合った完勝で飾った。

 試合後の原監督は、いつになく冗舌だった。「昨日は『野手は眠れないくらい悔しいだろう』と言ったんだけど、おれが寝られないと報じたところがあったね。おれはよく寝られたよ」と笑った。西武岸に完投負けした前夜のショックは、みじんもなかった。会心の勝利で、節目の監督通算500勝目を成し遂げた。

 好敵手からお株を奪い、序盤で勝負を決めた。3回までに3本塁打を含む9安打を重ね、7点を奪った。長打もあれば、単打をつないでの適時打もある理想的な攻撃。前夜は2本塁打を浴び、交流戦は黒星スタートだった。強力打線を擁する西武との戦いに、原監督は「(狭い)東京ドームだから2、3発はやられる覚悟でやらないといけない」と話していた。結局、4本塁打をお返しし「効果的に1発が出たことと、つながったこと。バランス良く全員が相手投手に襲いかかった」と満足そうだった。

 監督7年目のシーズンで500個目の白星。選手1人ずつの状況を把握し、1個ずつ積み重ねてきた。この日は坂本が今季初めて1試合2本塁打。成長のリミットは先にあると信じているから「まだまだ。彼は途上よ。途上!」と強調した。ただ、こう続けた。「(西武には)中島という日本を代表する選手が同じ遊撃にいる。昨日は悔しい打撃だった。勇人にとっても非常に大きいと思います」と目を細めた。坂本は「(原監督500勝目の日に打ち)そういう形になったのは良かったです」と喜んだ。師弟のきずなが、さらに固まった1勝だった。

 記念球は藤井から受け取ったが、ベンチ裏へ消える前、スタンドへ惜しげもなく投げ込んだ。「500勝というよりも、今日、勝ったことの方が安心やうれしさがある。一足飛びに500勝じゃない。ファンの皆さまのおかげだから、ああいう形になった」と感謝の気持ちだった。交流戦を1勝1敗のタイとし、「1戦1戦ですね」と口元を引き締めた。ゴールの日本一へ、また501勝目から積み重ねていく。【古川真弥】

 [2010年5月14日8時36分

 紙面から]ソーシャルブックマーク