<ロッテ20-4ヤクルト>◇22日◇千葉マリン

 意を決したように気丈に話すヤクルト高田繁監督(64)の姿が、逆に悲壮感を漂わせた。序盤の3回までに13失点し、終わってみれば大惨敗。「今日のような試合だと、ファンに申し訳ない。負けた試合でいい試合というのもないけど、いい試合をしないといけない」と振り返りたくもない敗戦を振り返った。

 あまりにもふがいないチームの惨状に一時は封印したはずの「辞任」の2文字が、再び浮かび上がった。球団に進退伺を出し、20日には都内のホテルで鈴木社長をはじめとした球団フロントと会談した。球団側は監督業務の続行を申し出て、高田監督も了承していた。しかし、その直後のロッテ2連戦で惨敗。現状でも考えに変わりはないかという質問に「あの時はそうだったけど、ずっとこのままでいいとは思っていない。兆しも見えないし、このままじゃな」と、低迷が続けば辞任するという覚悟が復活したことを示唆した。

 四面楚歌(そか)の状態で、低迷脱出の糸口も見えてこない。09年はAクラスに入り、念願のクライマックスシリーズ出場を果たしたが、今季は3年契約の最終年。「今季限り」は既定路線で、選手に対しての求心力も落ちてしまっている。23日からは伊勢氏が臨時コーチとして帯同するが、高田監督からすれば本当に「補強」してほしいのはコーチではなく、不振の外国人選手に替わる新外国人。09年は上がり目のないガイエルと疑問の残る2年契約を結ぶなど、外国人補強が遅れているフロントに言い訳は許されない。

 23日からは本拠地神宮に帰って日本ハムと2連戦、26日からは楽天2連戦が待っている。辞任を覚悟しながらの“背水の陣”になる。【小島信行】

 [2010年5月23日9時4分

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