<西武7-3オリックス>◇25日◇西武ドーム

 会心の投球ではない。それでも両リーグ最速の10勝目を、3失点完投で決めてしまうところが西武のエース涌井秀章投手(24)だった。2年目から5年連続の2ケタ勝利。「5年もよくやったと思います」とまるで人ごとだった。2回に2ランで先制を許すなど、調子は良くなかったが、味方の援護にも恵まれて修正した。「抑えにセーブがつかないんで、行かせてくださいって言いました」と、志願して9回を141球で投げきった。

 18日のソフトバンク戦。相手先発は育成出身の山田だった。試合前日に涌井が言った「相手が相手だし、気が抜ける」という冗談が相手ファンの反感を買った。勝利の翌日、自身のオフィシャルサイトには発言を非難する書き込みもあった。この日のお立ち台で「24歳になっての初白星?

 そう言われましても、特には」と切り返して笑いを誘ったように、ユーモアあふれる言動が特徴。それゆえ誤解されることもあるが、心根は思いやりにあふれている。20日に5年目の田中が右ひじ痛で登録を抹消された。チームメートの前では「やっぱりな」とちゃかしたが、後で電話を入れていた。「焦るな。じっくり治してこい」。今季初めて1軍に上がり、チャンスを逃すまいと無理をしかねない後輩にブレーキをかけた。

 過去4年を上回るペースで10勝目を挙げ、単純計算では初の20勝にも手が届く。「後半しっかり勝てれば、20勝も不可能じゃない」とサラッと言って、続けた。「でもまずは優勝したいんで」。最優先はチームの勝利。涌井の軸は決してブレない。【亀山泰宏】

 [2010年6月26日8時31分

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