<ロッテ0-2西武>◇16日◇千葉マリン
西武涌井秀章投手(24)が、ロッテ渡辺俊との投手戦を制し、今季2度目の完封勝利。無四球でリーグトップに並ぶ11勝目をマークした。7回まで両軍無得点の行き詰まる展開だったが、8回に代打石井義の適時打などで2点を挙げた。西武は2位ロッテとの差を4ゲームに広げた。
男は我慢。ここ2試合、勝利から見離されていた涌井は、ただひたすら耐え抜いた。2回から7回まで毎回の7安打を浴びた。強打のロッテ打線に加え、今季2戦2敗の千葉マリンで強風、蒸し暑さが襲う。感情のすべてをポーカーフェースの内にしまい込み、要所を丁寧に摘み取った。「同じように2度負けていたので、今はホッとしてます」。ようやく緊迫感から解放されて笑みをたたえた。
両リーグ最速で10勝に到達してから、2度の足踏みで歯がゆい思いをしていた。
(1)2日ロッテ戦(千葉マリン)
成瀬と投げ合い、0-0の6回に3失点して黒星
(2)10日楽天戦(西武ドーム)
岩隈と投げ合い、1-1の8回に3失点して黒星
カード初戦で当たる好投手をことごとく競り落としてきたエースが、逆の立場に苦しんでいた。この日もロッテ渡辺俊と投げ合い、スコアボードに0を積み重ねるごとに、嫌な予感も脳裏をよぎった。
そんな7回。岡田に安打と二盗を許して2死二塁。打席には打撃好調の西岡。歩かせるか、次打者今江と勝負か。伝令を走らせた渡辺監督は「エースと一番いいバッター(の対戦)を選択した」と西岡勝負を伝えた。当然、涌井も「勝負するつもりだったし、気持ちがさらに入りました」。内角に目の覚めるような146キロ直球に、手が出なかった西岡がバットを置いて悔しがった。
8回に打線の援護を受け、三度目の正直で“我慢比べ”を制した。登板2日前、渡辺監督から呼ばれた。「この試練を乗り越えないと、1つ上のステップにいけないぞ」。プライドをくすぐられたエースはハーラートップタイの11勝目を、今季初の無四球完封で飾った。球宴前のラスト登板で「11勝よりも、5回負けたっていうのがちょっと…」。もう頼もしい涌井に戻っていた。【柴田猛夫】
[2010年7月17日8時36分
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