ヤマタケを封じろ!

 ソフトバンク秋山幸二監督(47)が、楽天山崎武司内野手(41)に警戒心を強めた。27日の楽天戦(熊本)から後半戦がスタート。球宴で山崎の2試合連続本塁打を目撃した同監督は、41歳の大砲封じを最重要課題に挙げた。楽天には昨季まで3年連続勝ち越せなかったが、今季は前半戦で大きく勝ち越し。後半戦も貯金をいただく「楽天銀行」にするためにもヤマタケ封じに全力を挙げる。

 屋根の開いた福岡ヤフードームで日差しを浴びながら、秋山監督が渋い表情を浮かべた。「眠いよ…」。コーチとして参加した球宴が前日24日に終了し、25日午前中に新潟から福岡に戻り球場入り。航空機の乗り継ぎによる疲労もあったが、渋い表情の原因はそれだけではなかった。心を重くしていた理由の一つ?

 が、球宴で40歳代では史上初となる2試合連続弾を放った楽天山崎だった。

 秋山監督

 一線級の投手の直球を2発ドカンだからな。きっかけになる事はある。調子に乗られると困るな…。

 自身は現役時代に、18年連続で球宴に出場した。それだけに、球宴での活躍が後半戦への好調につながる可能性を誰よりも理解している。「(山崎は)前半戦は体にキレがなかった」と分析するように、今季は前半戦で対戦打率1割8分4厘に封じた。だが昨季の対戦では3割9厘、10本塁打。チームとしても、07年から3年間勝ち越せていない大きな一因となっていた。

 今季はここまで10勝3敗1分と大きく貯金を稼いでいる。楽天をカモにすることが逆転Vへの近道と考えれば、山崎対策も当然。投手陣やコーチ陣も十分に理解している。

 高山投手コーチは「(山崎には)ベースの上だけで勝負するんじゃなくてね、きっちり対策を練ってやりたい」。27日の第1戦に先発予定のホールトンは「高めが好きな打者だから、球を低めにコントロールすることを心がける」と、イメージを膨らませた。

 7連勝と最高の形で前半戦を終え、首位西武と0・5ゲーム差で後半戦はスタートする。勝負の残り50試合を左右する大事な“開幕3連戦”。乗ってる41歳の勢いを止め、ソフトバンクが7年ぶりVへの勢いを加速させる。【倉成孝史】

 [2010年7月26日12時35分

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