<楽天3-2オリックス>◇1日◇Kスタ宮城

 楽天田中将大投手(21)が帰ってきた。6月29日以来の登板で、6月6日以来の白星だ。Kスタ宮城のファンもこの日を待っていた。お立ち台の田中は「本当に、ケガしてチームにもみなさんにもご迷惑をかけて、すいませんでした」とファンに謝罪した。田中の真摯(しんし)な姿勢に、最下位にあえぐ日ごろの不満も癒やされ、温かい声援が飛び交った。

 立ち上がり、ピンチの連続を入魂の投球で無失点でしのぎきった。1回無死二塁。2回は無死満塁。1回は1死から後藤、カブレラをフォークで空振り三振に仕留め、2回も1死から2者連続空振り三振だ。「今日のフォークなら三振が取れる」。危機にも動揺しないで、冷静に分析。投球センスにブランクの影響はなかった。

 熱さも健在だ。7回連打で1点を失うとベンチから降板指令。無死二塁と走者を残しての交代に田中は、マウンドで「えっ~」と無念さをにじませた。ブラウン監督は「納得していない表情をしていた」と、やや気に入らない様子。それでも「彼の闘争心はスゴイ。若いが頑固な勝負心を持っている」と、チームに不足していた強靱(きょうじん)な精神力を歓迎した。

 連敗ストップに沸く球場で「勝って、よかった~」と田中も笑う。だが「不安はあったんですよ。練習の負荷は、試合のとは違いますからね」と付け加えた。経験のない右太もも痛。復帰戦はチームがどん底の連敗中。7月26日には予定していた投内連係の再開を1日順延していた。慎重なリハビリを行いながら、予定通りのぶっつけ本番。序盤に再発するのではと、気をもむ関係者もいた。周囲の不安を一掃するためにも「投げるからには、しっかりしたところを見せないと」と最大限の投球を誓ってのマウンドだった。

 けがの功名だった。「ポイントを抑えて、1イニング1イニング投げよう」とシンプルな考えでマウンドに立ち「6月に3連敗していたときのモヤモヤした感じもなく、いい感じで試合に入れた。いいフォームで投げられたし、今年一番いいバランスで投げられた」と話す。今後の快投を予感させる内容だった。「ケガした分は帰ってこない。残り試合、しっかり投球し、チームに貢献したい」。粘って、ねじ伏せ、勢いをつかみ取る。そんな田中が帰ってきた。8月反攻も夢物語ではない。【金子航】

 [2010年8月2日8時17分

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