<ロッテ9-12ソフトバンク>◇1日◇千葉マリン

 ソフトバンク球団初のミラクル逆転勝利だ。序盤、ロッテに5点のビハインドを背負ったが、打線が連夜の大爆発。後半戦最多20安打の猛攻で12得点。今季4度目の同一カード3連戦3連勝を果たした。最大5点差以上の逆転白星は、ダイエー時代の04年9月23日(対日本ハム=福岡ドーム)以来、6年ぶり。貯金は15に到達。もう怖いものはない。この勢いで優勝へ、まっしぐらだ。

 ソフトバンク球団として新たな歴史を刻んだナインが、千葉マリンのカクテル光線にまぶしく映えた。その選手たちとハイタッチを終え、ベンチ裏に出てきた秋山幸二監督(48)の笑みがはじけた。「今日はビールがおいしいだろうな」。無理もない。5点差以上のビハインドを跳ね返しての勝利は、前身ダイエー時代の04年以来6年ぶりの快挙だ。

 執念がミラクルの扉をこじあけた。猛攻のスイッチが入ったのは、5点差をつけられた直後の4回表だ。多村が追撃16号3ラン。その裏、3番手甲藤がこの日初の3者凡退で流れを呼び込んだ。2点差での5回表2死一、二塁。主将小久保がナインの思いを背負って打席へ。ロッテ伊藤の外角高め直球を強振せず、中前安打。二塁走者の本多に続き、センター清田が後逸する間に、一塁走者のオーティズもホームへ。ついに試合を振り出しに戻した。

 追いつけば、あとは勢いに乗るだけ。6回1死満塁で2番本多が、勝ち越しの左前タイムリー。「積極的に行きました。あとは気持ち。こういう試合はそれしかないです」。新たな歴史が結実した瞬間だった。

 自己犠牲をいとわないプレーの結集が白星をたぐり寄せる。本多は1回表に犠打を決め、先制に貢献。今季32犠打目でシーズン46犠打ペース。昨年川崎がマークした球団記録の43犠打を塗り替える勢いだ。「送りバントは1球で決めたい」と言い続ける本多はこの日も初球で成功。本多が送りバントを決めれば、7月14日以降9連勝と、“バント神話”はキープされた。

 4時間7分のロングゲームの最中、チームの結束力を高める事件もあった。5回表に中前打を放つ前、小久保は着替えのためロッカーへと向かった。そこには1回5失点KOで肩を落とす先発小椋がいた。キャプテンの怒声がベンチ裏に響いた。「何やっとんじゃボケ!

 はよベンチ戻って声出さんかい!」。反省するのは試合後でいい。2人で9失点した小椋と金沢のもとに、一塁小久保は激励のため3度マウンドへ寄った。主将は6連戦目で試合前ノックを回避するなど疲労がたまっていたが「野球は打撃だけじゃない」と語るほど投手との連係に気をつかう。だからこそ、降板後にチームの力になろうとする姿勢が見えないことが許せなかったのだ。

 小久保が打点を挙げれば13連勝と“主将打点神話”も継続。前日17安打した打線はこの夜も先発全員安打で、後半戦最多20安打と大爆発。救援陣「SBM48」もノーヒット継投で、今季4度目かつ4球団目となる同一カード3連勝を達成した。100試合消化で貯金は15に到達。「今日の勝ちは大きいよ」と秋山監督。大逆転劇を演じたナインなら、ソフトバンク球団初の優勝も、きっと手にするに違いない。【松井周治】

 [2010年8月2日12時9分

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