<阪神8-7中日>◇1日◇甲子園
最後のとりでは守り抜く!
阪神の守護神藤川球児投手(30)が今季初めて3日連続で登板。しかもそのうち2試合目のイニングまたぎという過酷な条件を、しのぎ切った。1点リードの8回2死走者なしで登場。9回に連打で走者を許したが、1回1/3を無失点で切り抜け、今季19セーブ目を挙げた。今季31度目の逆転勝ちをおさめたチームは、球宴明けから負けなしの4連勝で、今季2度目の4カード連続勝ち越し。0・5差で首位を死守し、3日から敵地巨人戦に臨む。
いつもの藤川ではなかった。それでも抑えた。あと1球コールが、どよめきに変わった。最後の1球は、浮き上がるような火の玉ではなかった。大島のバットの下を138キロのフォークが通過した。スタンドからは、ジェット風船が解き放たれた。だが、城島のミットにボールが収まっていない。急いで一塁へ送球され、間一髪のタイミングでアウト。しのぎを削った3連戦を象徴するような幕切れで19セーブ目を挙げた。「今日が最後だと分かっていました」。長期ロードに出発する守護神の帽子は、つばの先までじっとり汗がにじんでいた。
まさかの展開だった。8回2死から久保田が2者連続アーチを浴びた。ざわつくスタンド。ブルペンの電話が鳴った。指揮官が藤川の名を球審に告げる。初戦に続く8回途中の緊急登板。それでも守護神は覚悟を決めていた。「優勝が絡む接戦になるから、勝つんやったら、あるだろうと思った」。今季初の3日連続登板だ。「前から比べたら投げてない方でしょう。これでできなきゃ練習不足ということです」。頼られると、意気に燃える男は表情を変えず、マウンドに上った。
7月に入り暑さが厳しくなると、試合前の屋外での練習時間を短縮するようにしている。直射日光を避け、体力の消耗を少しでも防ぐため、1人室内に移動して体を動かしている。苦手な野菜ジュースを飲み、体内のバランスも整えている。すべては9月の首位争いのため。「ここをがんばっておけば、あとが面白いでしょ。これだけ打ってくれるんだから、チャンスだよね」。守護神の頭の中で青写真はできている。
だからこそ、勝負に徹した。8回2死、和田への初球はフォーク。結果は四球。ただ、この日はファンも異変を感じていた。野本に直球を3球続けて当てられるとスタンドがざわついた。23球のうち、直球は15球にとどまった。直球で空振りをとれたのは1球だけ。万全ではなかったが、それでも気力で抑えた。
後半戦は引き分けを挟んで4連勝。中日との対戦成績も五分に戻した。藤川は今季初のお立ち台で言った。「ロードに出てもテレビを見て、応援してくれると思うので、粘り強く戦ってきます」。2日からの長期ロード。守護神は首位を守ったまま1カ月後の本拠地に帰ってくる。【鎌田真一郎】
[2010年8月2日11時53分
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