<楽天7-6西武>◇4日◇Kスタ宮城

 楽天が5点差をはね返しサヨナラ勝ちした。西武先発涌井の前に8回まで1得点。完敗寸前から8安打を集めた。3番鉄平外野手(27)から5連打でエースをKO。5番山崎武司内野手(41)の二塁内野安打に象徴されるつなぎの攻撃が、土壇場でこれでもかと出た。

 巨漢の両足を回転させたら加速十分だった。「太ももを高く上げて一生懸命。小さいころから走ることはダメだったけどねぇ。ホームラン打てないからね」と照れた山崎は、「走塁は意識の問題が大きいんだよ。意識」と強調した。投手の真後ろにはずみ中前に抜けそうなゴロ。だが「片岡は二遊間を詰めて守るから、センターには届かない」と冷静に状況判断した。マーティー・ブラウン監督(47)は就任時「全力疾走を怠らないように」と指示。山崎は「もっと口酸っぱく言っていい」としたが、監督の命令を従順に守り歓喜の伏線をつくった。

 2回には右中間を破らない安打で二塁をゲット。9回の内野安打直後も、中村紀の中前打で一気に三塁を陥れている。「アンビリーバブル」と会見場に現れたブラウン監督は「41歳と思えないスピード。持てる100%の力を出す姿が、チームに勇気を与えた」。自身の指導哲学を実践してくれたリーダーの2得点を喜んだ。【宮下敬至】

 [2010年9月5日8時35分

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