<阪神1-0中日>◇7日◇スカイマーク

 阪神マット・マートン外野手(28)が、値千金の二塁打で、最強助っ人バースを超えた。0-0の5回先頭でチェンの145キロ直球をきれいにミートした。右翼超えの二塁打でチャンスメーク。藤川俊の犠打で三塁に進んで、鳥谷の中犠飛で生還した。難敵チェンから先制のホームを踏んだ。「チェンもいいピッチングをしていたし、少ないチャンスをものにできたと思う」。チームの勝利に直結する二塁打を素直に喜んだ。

 個人記録に興味がない記録男だ。この日は3回の中前打と合わせてマルチ安打をマーク。これで年間安打数を「177」とした。球団記録で86年バースと08年赤星を抜いて、単独7位に浮上した。あと3本で阪神の外国人助っ人1位の06年シーツ(180)に並ぶ。振れば安打のマートン小槌(こづち)が、大事なシーズン終盤にきて、振れば記録の小槌となってきた。

 優勝争いに身を投じている高揚感を感じて、グラウンドに立っている。7回の守備では野本の飛球にフェンス間際でキャッチした。「今日はとにかくピッチャーが頑張ったことに尽きる。1点だけではピッチャーがよくないと勝てないからね」と投手陣に感謝した。まじめ助っ人が、勝利のために走攻守でベストを尽くす。

 [2010年9月8日11時39分

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