<楽天8-3ソフトバンク>◇26日◇Kスタ宮城

 小久保裕紀内野手(38)は泣いていた。優勝決定後に守備に就いた際、涙を浮かべていた。2年連続、同じ地で。ただ、喪失感の昨年の涙とは違う、達成感に包まれた涙だった。「去年の悔しさが最初に浮かんだ。仙台でうれし泣きなんて、縁があるんだな」と、試合後は涙はなかった。

 25日、ひそかに誓った。最終戦で決める。前夜は西武と同宿。「1年間戦ってきた相手だから、同じ宿舎で祝勝会をやるのは…。心の底から喜べないよ。逆の立場を考えてみろよ」と、思いやった。主将として3度舞った。「やめる前にもう一度優勝したかった」。若き仲間たちをけん引するため、06年オフに巨人からFA宣言し、帰ってきた。4年契約の最終年、約束を果たした。

 [2010年9月27日9時24分

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