ソフトバンク秋山幸二監督(48)が、CSでの打線爆発へ「秘密兵器」を導入した。フリー打撃の途中にグラウンドへ姿を見せると、打撃ケージに近づいた。順番を待つ多村仁志外野手(33)がいた。秋山監督は、おもむろに上着に隠れるように巻いていた“秘密のベルト”を外し、多村の腰の位置にセット。そのまま打撃練習へと入った多村が、スタンドインを連発。今季、打撃部門でチーム3冠王の破壊力を、さらにグレードアップさせてみせた。

 実は野球用のベルトではない。大のゴルフ好きの秋山監督らしく、ゴルフ用のベルト。腰の位置についたくぼみで仙腸関節を締める効果があるとされている。実際に効果を試したのか、秋山監督は「腰がきれいに入るんだよ」。仙腸関節を締めることで、腰の回転に安定感が増すと言われる。秘密兵器を“試着”した多村も、驚きを隠せない様子。「安定感があっていいなと思いますね。その場でクルッと回れる感じ」と目を丸くした。

 ポイントゲッター多村の打撃に磨きがかかれば、相手にとって、これほど脅威なものはない。ユニホームの中に締めることができ、CSへ向けた秘策になるかもしれない。秋山監督は「松田にもやらせてみよう」と、ティー打撃で松田宣浩内野手(27)も縛った。さらに江川ら若手もギュギュッと縛り上げた。固定観念にとらわれず、いいと思えるものは積極的に取り入れる。7年ぶりのリーグ優勝に導いた指揮官のCS制覇への動きも本格的になってきた。

 [2010年10月7日10時51分

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