ヤクルト林昌勇投手(34)が破格の大型契約でチームに残留する方針であることが24日、分かった。球団側は不動のストッパーを慰留するため、再契約金を含む3年総額12億円を用意。金額面で最終的な調整作業は残るが、林昌勇もヤクルト残留を第1希望としており、近日中にも正式に合意するとみられる。

 日本で08年から3年通算96セーブを挙げた絶対的守護神の引き留めに、ヤクルトは最大限の力を注いだ。10月中旬に編成部の奥村政之国際担当課長が韓国で代理人と交渉し、返答待ちの状況となっている。2年契約のガイエルをのぞき、他の外国人選手との契約交渉はすべて先延ばしにして、林昌勇の引き留めを最優先に進めていた。

 今季で3年契約が切れる林昌勇は、以前から抱いていたメジャー挑戦も視野に他球団への移籍の可能性も探っていたが、破格の契約で誠意を見せてくれたヤクルトに残留する意向だという。10月5日には「ヤクルトに愛着があります。日本に来て、チームメートは外国人ではなく、ヤクルトの1人として見てくれた。感謝の気持ちでいっぱいです」と話していた。

 今オフの球団行事などにも参加する予定で、近日中にも再来日する。09年WBCでは韓国代表のストッパーを務めた160キロ右腕の存在は、今季クライマックスシリーズ進出を逃し、来季へ巻き返しに燃える小川ヤクルトにとって心強い。

 [2010年10月25日9時2分

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