阪神とコバヒロ争奪戦だ!

 今オフのFA戦線で最大2枠補強を目指すソフトバンクが、ロッテ小林宏之投手(32)の獲得調査に乗り出すことが10日、分かった。今季海外FA権を取得した同投手は、球団側にメジャー挑戦の意思を伝え、11日にもFA宣言する。米球団との交渉が不調に終わった場合、国内移籍も視野にあり、ソフトバンクと阪神が獲得レースを繰り広げる可能性が出てきた。

 ソフトバンクにとっては今オフのFA市場で、チームのニーズにピタリ当てはまる男の出現だ。ロッテ小林宏がメジャー挑戦を第一に挙げながら、国内移籍にも含みを持たせた。今季抑えに転向したが、11日にFA申請する通算74勝右腕は何とも魅力的。国内移籍の可能性はあるかを含め、獲得へ向けた本格的な調査に入ることが確実だ。

 くしくもこの日、編成・育成部長である小林至取締役(42)が球団の最大補強ポイントを「右の先発投手」と明言した。

 「(FAについては公示日の)17日にどの選手に興味があるのか話します。補強ポイント?

 第一に右の先発投手。次に捕手」

 注目すべきは、右腕先発投手補強への力の入れようだ。すでに新外国人調査も進めているが、アベレージを残しながら長打力を持つ野手と、右腕先発投手にターゲットを絞っている。さらに国内マーケットでもトレードによって右の先発投手補強が可能か検討されてきた。また、昨年小林宏が国内FAを取得したときから、動向に注目しており、ホークスにとっては待望のFA選手と言える。

 球団としては国内移籍OKと判断した場合、先発再転向での獲得に名乗りを挙げる方向。実績十分な選手だけに阪神も調査に入る方針だが、ソフトバンクにとっては王貞治球団会長(70)が指揮官を務めた06年WBCの日本代表メンバーでもあり、1歩たりとも譲るわけにはいかない。

 球団が難しい判断を迫られそうなのは、ここまで調査を進めてきた2選手へのアプローチだ。獲得できる選手は通常最大2枠のため、すでにFA申請した西武細川と横浜内川のどちらかに照準を絞らなければいけない状況に陥るケースもある。球団の補強ポイントからすれば捕手補強を進めることが有力だが、多村仁志外野手(33)との残留交渉の行方も影響しかねない。また、ロッテ小林宏に対しても、メジャー最優先を表明したため、交渉が長期戦になる可能性もある。

 いずれにしても、小林宏への本格的な調査結果次第でソフトバンクのFA戦略が大きく変わることは決定的。大型補強を目指すホークスの動向から目が離せなくなってきた。

 [2010年11月11日10時53分

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