阪神が新外国人として、24歳の有望スイッチヒッターを獲得することが28日、明らかになった。ヤンキース傘下2Aトレントンから今オフFAとなったマルコス・ベチオナッシ内野手(24)でメジャー経験はないが、シュアな打撃を売りとする中距離砲。条件面で大筋合意しており、近日中に発表される。ヤンキースではアレックス・ロドリゲス内野手(35)の後継者とも嘱望された逸材だ。

 阪神が新外国人野手を獲得する。今オフ、ヤンキース傘下2AのトレントンからFAとなったマルコス・ベチオナッシだ。メジャー経験こそないが、ベネズエラ出身で24歳と伸び盛りの中距離砲。しかもスイッチヒッターだ。

 三塁を中心に、内野は4ポジションどこでも守れるユーティリティー。年俸など条件面はすでに大筋で合意。近日中に正式契約を交わす予定だ。球団は支配下登録枠の関係などもあり、育成選手としての獲得を決めたが、潜在能力への期待はまさに「助っ人」級だ。

 実はヤンキース内でも次期三塁のレギュラー候補として期待されていた。ヤ軍不動のサードといえば、かの有名なAロッド。本塁打王5回、首位打者1回、打点王2回。その後継者候補として名前が挙がるほど、将来を嘱望される選手だった。188センチ、77キロの恵まれた体格で、粗削りな打撃は伸びしろたっぷり。アベレージ型のシュアな打撃は、今季阪神で大活躍したマートンにもダブる。

 今季2Aでは正一塁手として114試合に出場。打率2割8分3厘、11本塁打、55打点、6盗塁をマーク。現在は母国ベネズエラのウインターリーグに参加中。所属する「マガジャネス」では、5番三塁でレギュラー。メジャー通算1532安打を誇り、昨年は巨人に在籍したエドガルド・アルフォンゾ(37)を控えに回しての活躍だ。

 球団首脳は「バルディリスのように、早く日本の野球になじめば面白い存在になる」と明かす。将来性はもちろん、1年目からマートンやブラゼルに故障があった場合の「代役」も任せられる。それどころか、来春キャンプのアピール次第では即1軍登録の可能性もある。

 育成枠での助っ人獲得は、球団が新たに力を注ぐ分野でもある。球団首脳も「特に中南米にはいい選手が多い。これからも可能性を探っていきたい」と語る。10月末には、191センチの長身から最速153キロを繰り出す左腕、ロバート・ザラテ投手(23=BC群馬)を育成枠で獲得した。ザラテも同じベネズエラ出身で、1986年度生まれの同い年。ベチオナッシは、長期的ビジョンで選手育成を目指す、真弓イズムにもピタリと合致する「秘密兵器」だ。

 [2010年11月29日11時3分

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