岩隈残ってくれ!

 ソフトバンク杉内俊哉投手(30)が楽天岩隈久志投手(29)の日本残留を熱望した。ポスティング・システムによるアスレチックスとの入団交渉が難航中の右腕が残留となれば、野手を大型補強した楽天の戦力アップは確実。それでも鷹の左腕は来季のしびれるようなエース対決継続を望んだ。

 エースだからこその残留ラブコールだ。杉内が、来季の岩隈とのエース対決を切望した。

 「残留決まったの?

 まだでしょ?

 残ってほしい?

 そうだね、それはそれで盛り上がるし。岩隈、ダルビッシュ、マー君。その中でタイトルを取れば達成感あると思うし」

 相手が強ければ強いほど燃える。今季は143試合目で日本ハム・ダルビッシュと9回を投げ合い、1-0で勝利。涙の完封劇で7年ぶりのリーグ制覇をたぐり寄せた。

 「今年の最後の日本ハムとの試合とか。そういう試合で勝つと達成感がある。そういう投手と投げ合う時は、試合前から緊張感があるしね」

 勝敗を度外視するわけではないが、エース対決は何よりのモチベーションだ。ダルビッシュには今季の開幕戦でも投げ勝ったが、岩隈にはCSを含みプロ入り後3度の対戦でまだ投げ勝ったことがない。09年のCS第1ステージでは、7失点KOで敗戦。投げ勝つ前に海を渡られては、負けず嫌いな左腕の腹の虫が治まらない。岩隈が残留すれば楽天の戦力アップは確実だが、それ以上に自身にもプラスになると確信する。

 まずは来季の開幕投手をつかみ取る。今季も16勝で最優秀投手を受賞。ただ開幕投手が確約されているわけでない。同い年の同僚、和田が17勝を挙げリーグMVP。プロ入り後、切磋琢磨(せっさたくま)してきた左腕と開幕を争う。

 「まだ何も言われてないけど、狙える位置にいる時は狙います」

 和田とのチーム内エース対決も含めて、来季もガチンコ勝負に杉内は勝つ。

 [2010年11月29日10時57分

 紙面から]ソーシャルブックマーク