魅せる3番になる!

 FAでソフトバンクに移籍した内川聖一内野手(28)が12日、移籍後初めて3番定着を宣言した。親交が深いプロレスラー佐々木健介(44)と北斗晶(43)夫妻の影響で、ファンを魅了する主軸打者にこだわる。故郷の大分市「だいぎんスタジアム」で開催された少年野球大会閉会式に出席し、レスラー譲りのプロ意識をみなぎらせた。

 必殺技でファンを興奮させるプロレスラーのように…「魅せるプロ野球選手」を目指す。内川は、佐々木健介、北斗晶夫妻と定期的に会い、何でも話せる仲だ。野球選手もただ成績を残せばいいわけではない。ファンの心に残るプレー、ふるまいをしなければ、というのが持論となった。

 「佐々木健介選手と北斗晶さんには相談にのってもらうこともある。移籍を報告したら、佐々木選手から『オレも福岡出身。今度は福岡で食事に行こう。試合も見に行くよ』と言ってもらった。若いころは成績を残せばいいと思っていたけど、それだけではだめと感じている」

 小学生のころからプロレスファンで、特に好きだったのが新日本プロレス。横浜入団後はノアの観戦にはまった。ファンを満足させることをとことん追求する姿勢に刺激を受けた。

 ノアにも参戦するフリーの佐々木健介と親交を持つようになった。話せば話すほど仲は深まった。佐々木家を訪問した時は、『鬼嫁』として人気ある夫人の話にも真剣に耳を傾ける。

 10年シーズン、横浜スタジアムでは佐々木健介の入場テーマ「テイク・ザ・ドリーム~閃光~」を、第1、第3打席に入る前のテーマ曲にした。第2、第4打席はゆずの「虹」だったが、福岡ヤフードームでは全打席で佐々木健介の入場テーマを採用する可能性もある。

 「一番テンションが上がる曲。すべての打席に採用するかもしれない。佐々木健介選手は、リングではすごく強いのに、リングを下りればすごく優しい。自分もグラウンドでは荒々しく、普段は見本とされるような選手になりたい」

 打順にもこだわる。08年に日本人右打者最高打率3割7分8厘をマークした男が、3番への思いを移籍後、初めて口にした。1番川崎、2番本多。俊足で出塁率の高い1、2番。自分の勝負強い打撃を発揮しやすい。

 「横浜の時は1番も打ち、すべてを求められ、迷った時もあった。もちろん、与えられたところで全力を尽くすが、(3番は)役割がはっきりする」

 理想の3番打者を目指す内川は、健介・鬼嫁魂を胸にパ・リーグでも大暴れしてみせる。

 [2010年12月13日11時32分

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