阪神藤川球児投手(30)が17日、兵庫・西宮市の球団事務所で契約更改交渉を行い、現状維持の年俸4億円で1年契約を結んだ。今季は58試合に登板し、3勝4敗28セーブ。防御率は05年のリリーフ転向後ワーストの2・01。「これぐらいの成績じゃダメだと分かった。見ていてください」。来季のV奪回に向けて意気込んだ。

 8月以降で3敗を喫するなど終盤は不安定だったが、回をまたいでの投球は昨季の10度より多い13度を数えた。防御率は中日戦は0・00、巨人戦も0・84と、ライバルには簡単に点を許さなかった。未更改の城島と並ぶ球団最高の年俸について、沼沢球団本部長は「数字に表せないところもすべて加味した。十分に評価している」と説明した。

 将来の希望としているメジャー移籍について藤川球は「継続的に話していること。(これまでと)変わらず、しっかりと米国のことは考える時間を持ちながら、球団と話し合っていきたい」とコメント。海外FA権は再来年の12年に取得するが、それ以前の移籍の可能性も含め、継続して交渉する考えを明かした。

 沼沢球団本部長はポスティングシステムによるメジャー挑戦について「認められないことは一貫しています」と説明。「来季日本一のご褒美としては?」との問いにも「常勝軍団を目指しているし、それには彼の力が必要。その考えはありません」と、移籍への道はFAによる移籍しかないと強調した。

 [2010年12月18日9時1分

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