マーくんがエースを狙う。楽天田中将大投手(22)が7日、Kスタ宮城の室内練習場で本格始動した。星野監督から「田中がエースになってもいい」と名指しを受けている。伝え聞いた田中は「僕は、これまでも、そのつもりでやっています」と力を込めた。1年間、先発ローテを守り抜き、岩隈に代わる次世代エースを目指すことを宣言した。

 しんしんとした冷気を切り裂き、11年の第1歩を進めた。外は氷の世界。入念なアップで体をほぐし、キャッチボール、ノックとこなした。「順調に来ている」と充実感たっぷりの1時間。5年目を迎え、発言に変化があった。今までは「岩隈さんはうちのエース」と先輩右腕の後ろに立つことが多かった。エース奪取宣言は「(故障離脱という)去年のことがあったのに。意気に感じます」と闘将に気持ちで応えた結果だ。

 守るべきものがある。「ローテを守ったのは1年目だけ。1年間投げられれば数字は付いてくる」と言い切った。新人の07年こそ開幕からローテを守ったが、2年目以降は短期間でも抜けた。特に昨年は夏場に故障が続き、8月末の登板が最後。1年を投げ抜くのがエースと自覚する。

 そのために「今まで以上に体のケアに気を付けたい」。体重も「太りやすいんで」と正月も暴飲暴食を控え、昨秋から5キロ近く減量。そして「一番はフォーム。体に負担をかける投げ方をしている」。力みはなくし、球は力強く。継続して取り組むテーマだ。

 今後は関東の施設で自主トレを続ける。今季の目標を聞かれ「昨季はチームも僕も悔しい思いをした。当然、日本一を目指します」と即答した。エース田中が、己の右腕で雪辱の年にする。【古川真弥】

 [2011年1月8日8時49分

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