怪物くんはすっかりオトナになった。日本ハム中田翔内野手(21)が7日、大阪市内で、ツインズに移籍した西岡剛内野手(26)らと合同自主トレをスタートした。昨年の合同トレは奇抜な髪形で現れた中田だが、今年は“シック”ないでたちで登場。練習やトレーニングにも真剣に取り組み、レギュラー取りを狙うため、プロ選手としての自覚が芽生えていた。

 成人式からは1年がたってしまったが…、2011年、中田はすっかりオトナになった。髪の色こそわずかに茶色いが、1つ1つのトレーニングを理解して真剣に取り組むと、練習が終わればグラウンド整備をこなした。「大人になったかは自分では分かんないですけど、野球に対しての意識や考え方は変わりました。1、2年目ははっきり言って、ただ練習をやればいいという感じだった。今年はやらないといけないし、やるしかない」。“アダルト”なコメントが口をついて出た。

 昨年の西岡との合同トレでは、えとにちなんだ「金色ライン入りの虎柄ヘア」でさっそうと登場。さらに買ったばかりの愛車レクサスのエンジン音を高らかに響かせる“暴走族スタイル”で、周囲を驚かせた。あれから、たったの1年。だが左膝手術、プロ初本塁打を経験した中田は、すっかり成長していた。

 レギュラー取りを狙う4年目、意欲と危機感が、意識を変えさせた。オフは広島市内のジムで体を鍛え上げ、筋肉量を増やした。「去年は途中から下半身の疲れが目立った。今年はシーズン初めから終わりまで、バットを振れるように鍛えたい。西岡さんからは野球に対する引き出しを学びたいですね」。強制される練習ではなく、シーズンのために、自発的に汗を流している。

 この日はキャッチボールやトス打撃など、技術的な練習もこのオフ初めてこなした。「キャンプに入るのが楽しみ。紅白戦で早く打席に立ちたい」。自信に満ちた晴れやかな表情には、大人の色気が漂っていた。【本間翼】

 [2011年1月8日11時0分

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