日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)を、かつての宿敵が“私設応援団”を結成して支援する計画があることが10日、分かった。06年夏の甲子園で早実と決勝を戦った駒大苫小牧のOBが、慣れない北海道生活が始まる斎藤佑をバックアップすることを検討している。昨年末には斎藤佑と楽天田中将大投手(22)が会って、食事をともにしている。明日12日からの新人合同自主トレ(千葉・鎌ケ谷)を前に、心強い援軍となりそうだ。

 日本中を熱狂させた両校選手は熱い友情で結ばれていた。06年夏の甲子園で、斎藤佑率いる早実と決勝再試合の激闘を演じた駒大苫小牧のOBメンバーが、佑ちゃん応援に立ち上がる。

 大学へ進んだ同期生たちは皆、就職のときを迎えている。当時の駒大苫小牧主将で4番打者だった本間篤史(亜大)がJR北海道入りを決めているように、北海道に戻って就職するメンバーも多い。かつてのライバルだった斎藤佑も札幌を本拠地にする日本ハムに入団した。強力打線を封じ込められ、3連覇を断たれた宿敵だが、あの暑い夏から4年が経過した。斎藤佑を快く迎える。それぞれが連絡を取り合って北海道生活での悩みに相談に乗るだけでなく「盛り上がると思う。試合も応援に行きたい」と本間。斎藤佑が登板予定の公式戦には、応援団を結成して札幌ドームに駆けつけるつもりでいる。

 2度しか訪れたことのない北海道が地元となる斎藤佑にとっては、これ以上ないほど心強い援軍となる。球団側もこの動きは歓迎している。今後はどんな応援プランが可能なのかを検討しながら、実現へ向けて協議していく方針だ。

 実はその前段階として、豪華なツーショットが既に実現している。昨年12月に当時の高校日本選抜の集まりがあり、斎藤佑と楽天田中も顔を合わせ、食事をともにした。2人は北海道との不思議な縁を感じながら、思い出話にも花が咲いたようだ。その田中も「本間みたいに北海道に帰る人もいるし、近くに仲間がいるので、いいスタートが切れればいいですね」と話した。同一リーグのライバル球団に所属しているため、田中が“私設応援団”入りすることはできないが、同期生の船出を温かく見守っている。

 明日12日からは、日本ハムの新人合同自主トレ(千葉・鎌ケ谷)がスタートする。斎藤佑のプロ野球人生が幕を開ける。

 [2011年1月11日7時36分

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