ソフトバンク本多雄一内野手(26)が16日、自主トレ先のサイパンに出発した。ここまで佐賀・嬉野で自主トレを続けてきたが、現地ではフリー打撃、1日200球のロングティーをノルマとするなど、春季キャンプに劣らないメニューで鍛え上げる構え。連覇に向け、前倒しの「キャンプイン」で臨戦態勢に入る。

 本多の南国サイパンでの練習メニューは、2月宮崎キャンプさながらだ。打撃投手を帯同させて昨年同様にフリー打撃も行うが、今回重視しているのはロングティー打撃。現地にはすでに約100個のボールが準備されているが、さらに福岡空港に100個近いボールを持参。明確な意図を言葉にした。

 「もう体はできているので、どんどん振り込んでいきたい。天候によって(フリー)打撃はできなくてもロングティーはできる。暑い中で振り込めば体力もつく。(1箱100個のケースを)2箱は打ちたい」

 早くも打ち込み時期への突入を宣言した。1日200球のロングティーとなれば、春季キャンプでの全体練習にも匹敵するスイング数となる。ロングティーという体全体を駆使したメニューを重視することで、キャンプでは投手とのタイミングの取り方や対応に集中することができる。

 「ロングティーをやっていれば(実戦での)バッティングへの形はしっかりつくれる。タイミングの取り方も分かっている」

 好調だった昨季中盤以降の打撃フォームを、このオフに繰り返しDVDでチェックし、イメージは脳裏に焼き付けられている。ここまでの佐賀・嬉野での自主トレで体力強化メニューも順調に進んできた。あとはキャンプ同様に打ち込むことだけだった。

 このオフ、ソフトバンク主力野手陣にはハイピッチ調整が目立つ。復活をかける松中はグアムで異例のフリー打撃を敢行し、川崎も年明け早々にフリー打撃を再開している。球団はカブレラや内川ら大補強したが、ポジション争いという点では、川崎と本多の二遊間は実質的には無風状態。それでもハイペースになるのは昨年CSで敗れた屈辱が原動力にほかならない。

 「もっと強い打球を打ちたい。二塁打を多くしたいし、二塁に行く回数が増えれば、得点力が増すはず」

 ホークスの今年の2月春季キャンプは、昨年より1日早い23日(1軍相当のA組のみ)に打ち上げ。誰もが短いキャンプを想定し、早めに始動している。リーグ連覇へ、悲願の日本一へ。本多のプレキャンプ突入は、準備を大事にする秋山ホークスを象徴していた。

 [2011年1月17日11時32分

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