誰かに憧れるのは、もうやめる。西武菊池雄星投手(19)が17日、西武第2球場で自主トレを公開した。花巻東高時代にチームが着ていたオンヨネ社のトレーニングウエアに身を包み、いきなりのブルペン投球で昨年痛めた左肩の回復をアピール。登録名も「雄星」から本名にして、正真正銘の“原点回帰”で2年目に臨む。

 鮮やかなパステルカラーが目を引いた新人時代とは違う。11年の菊池は白と黒のウエアでシックに決めてきた。入団当初、同い年のプロゴルファー石川遼(19)の影響でヨネックス社の製品を着用していたが、昨夏以降は複数メーカーを併用。そして今オフ、オンヨネ社に一本化した。担当者は「高校での縁もあり、本人から1社にしぼりたいと申し出がありました」と説明する。一昨年、菊池が甲子園に出場した際のチームジャージーやポロシャツなどが同社製。今回提供を受けたのは、改良点こそあるが、基本的な機能は高校時代と同じだという。

 昨年は投球フォームを見失って左肩を痛め、実戦どころか、6月5日を最後にブルペンからも遠ざかった。「12月28日くらいに入り始めて、今日で10回目くらい。3日前には10球くらい(捕手を)座らせました」。この日は、本来のスリークオーターに近い腕の振りから立ち投げで30球。「5、6割です。不安はあるけど痛みはない。気持ちよくて、楽しくて、地道なリハビリからよくここまで頑張ったと自分に感動しました」と笑顔があふれた。

 春季キャンプの1軍帯同は決まっていないが、2月1日の全力投球解禁について「目指して頑張る」と言いきった。「去年はいろいろなことがあった。心機一転というか、今年はやるぞという気持ち」。投球フォームや名前、装いに至るまで「菊池雄星」という色にこだわり、まだ見ぬ1軍のひのき舞台へ駆け上がる。【亀山泰宏】

 [2011年1月18日9時10分

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