ロッテからFA宣言し、阪神と2年総額5億円(出来高込み)で大筋合意した小林宏投手(32)が、決意の単身スタートを切る。21日、球団幹部が「最初はバタバタするし、1人で(関西に)来ることになるだろう。(家族は)落ち着いてから呼べばいいのではないか」と明らかにした。

 ロッテ時代は2人の子どもを球場に連れてくる姿が、何度も見受けられたイクメン右腕。選手食堂や選手ロッカーに引き連れて来ることも度々で“職場”でもよきパパだった。「子どもをおんぶしてマウンドに上がりたいくらい」と言うほどの子煩悩で、家族の存在は小林宏にとって大きな支えの1つでもあった。

 そんな男が新天地・関西では当分、ホテルなどを拠点にした単身生活を送る。1日でも早く愛する家族を側に呼び寄せたいが、まずは野球に打ち込むことを優先。自身が虎色に染まり、住環境が整うまで、グッと我慢するようだ。

 前日20日に行われた入団交渉会見では「必要としてくれる球団でやるのが、選手にとって幸せだし、やりがいだと思う」と話した。「(真弓監督に)すごく期待している、心強い、という言葉をもらいました。(将来的な米国希望も)今はないです。阪神のために頑張ろうという気持ちだけです」とVの使者となることを約束した。ストッパー藤川の前を投げる「8回の男」として期待される男は、たった1人でタテジマ生活に踏み出す。

 [2011年1月22日11時36分

 紙面から]ソーシャルブックマーク