霧島山・新燃岳が1日、午前8時前に再び爆発的噴火を起こし、西武の1軍キャンプ地である宮崎・南郷にも降灰した。積もるほどの量ではなかったが、選手も慣れない環境に悪戦苦闘。目や口の異常に悩まされながら、初日の練習に臨んだ。現時点で練習ができないほどの状況ではなく、チームは目薬の配布や、マスクをしての練習を検討しつつ対応していく考え。ただ、今後の状況次第ではさらなる対応を迫られる恐れがある。

 火山灰の舞う宮崎で西武の11年キャンプが幕を開けた。選手がアップをしていた午前10時半ごろ、白っぽいほこりのようなものが空中を漂い始めた。午前8時前に新燃岳で2日ぶりに爆発的噴火が発生。新燃岳から南東約50キロにある南郷にも、風に乗って灰が降ってきた。球場近くに止めてある車が灰色っぽくなるなど、降灰は正午すぎまで続いた。

 このキャンプから屋根付きブルペンが使用開始となり、投球練習に影響はなかった。投手のランニングメニューや野手の練習も予定通り屋外で行われた。群馬出身で08年春季キャンプでは桜島の噴火被害を経験した渡辺監督はたくましい。「オレが子どものころに経験した浅間山なんて灰の粒も大きいし、目を開けていられなかったからね。今日は降ってるけど、目を開けていられるし、これくらいなら大丈夫だよ」と笑い、マスクもつけずにグラウンドを精力的に歩き回った。

 ただ、“火山灰経験”の少ない選手たちは、なかなかそうもいかない様子。「せきが出る」「呼吸するのが大変」「口の中がジャリジャリして目が痛い」といった声があがり、自然と闘いながらの練習を余儀なくされた。

 この日来日したフェルナンデスは、乗る予定だった飛行機が欠航となり、急きょ別の便で宮崎入りするなど、思わぬ影響も出てしまった。午後からは目立った降灰はなく、今日2日以降も通常通り練習をしていく予定。ただしチームは、目薬の配布や、マスクを着用しての練習など対応を検討している。同じくキャンプで火山灰に悩まされた08年シーズンは日本一。自然の猛威を乗り越えた先に栄光がある、と信じたいところだ。

 [2011年2月2日9時10分

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