昨年パ・リーグ最多勝に輝いたオリックス金子千尋投手(27)の開幕戦登板が絶望となった。7日、キャンプ地宮古島から帰阪。その後、神戸市内の病院で右ひじの検査を受け、明日9日に遊離軟骨除去手術を受けることが決まった。全治3カ月で実戦復帰の見込みだが、患部の回復状況次第では、前半戦も棒に振る可能性が出てきた。

 金子千はこの日午前に宮古島を離れ、那覇経由で緊急帰阪した。病院で右ひじに通称ネズミと呼ばれる遊離軟骨が発見された。1月の自主トレに続き、6日のブルペン投球でひじがロックする症状を訴えていた。今回の遊離軟骨と関連性は不明ながら、04年のドラフト前にも右ひじを痛め、手術は受けず、05年に入団。プロ1年目はリハビリに専念した過去がある。

 球団は明日9日に神戸市内の病院で関節鏡による除去手術を行うと発表。井筒明裕チーフトレーナー(47)は「一般的には1カ月でボールを握れて、2~3カ月で(実戦に)戻れる。ただそれ以上になることもある。中を見てみないことには分からない」と説明。遊離軟骨だけでなく骨棘(こっきょく)と呼ばれるとげもあれば、さらに除去が必要になる。その場合は交流戦どころか前半戦まで出場が絶望になる可能性もありそうだ。

 エースのブルペン投球は5、6日とわずか2日間で終了。今後は術後1週間で抜糸した後、宮古島キャンプに戻り、2軍でリハビリを開始するもようだ。報告を受けた岡田彰布監督(53)は「あまり思わしくないなあ。予期はしていたけどな」と声を沈ませたが、「シーズン中にリタイアするよりもこの時期でな(良かった)」と前向きにとらえた。

 昨年は13連勝を含む自己最多17勝で、最多勝のタイトルを獲得。岡田監督は「最初から金子で決めとったからなあ」と、2年連続の開幕投手だったことを明かした。キャンプ序盤でのエースの負傷離脱。2年目の岡田オリックスがいきなり試練を味わうことになった。

 [2011年2月8日8時41分

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