中日の主砲トニ・ブランコ内野手(30)が15日、外野守備で弱点を露呈した。対外試合初戦となった韓国サムスン戦(沖縄・北谷)に5番右翼で先発。打っては9回、左中間に140メートル級の場外弾を放ったが、今キャンプから本格的に取り組む右翼の守備で投手陣の足を引っ張った。

 連日の早出特守など必死で取り組んでいる右翼守備だが、ボロが出た。5回2死一、三塁では右中間の何でもない飛球を安打にした。判断を誤り、1度右翼線側に動いたため捕球できず(記録は二塁打)やらずもがなの2点を献上した。さらに、8回2死一、三塁では右前打を処理したがカットマンの二塁・堂上直に悪送球(記録は失策)。一塁走者の生還を許した。「ホームランより、オレの課題は守備」と話した。

 巨人三沢スコアラーは「初めての試合だというのもあるけど、今のままではしんどいと思う」と口にした。ブランコが右翼をこなせば、強打の新外国人グスマンをこの日と同じように一塁で起用でき、打線が大幅に厚みを増す。助っ人大砲2人のツープラトン起用で課題の打線が生まれ変わる。しかし、その弊害でオレ流野球の象徴である守りが崩壊しては元も子もない。

 ブランコは試合後、自主的にフリー打撃で右翼を守り、約30分間の居残り特守を行った。まだ開幕まで時間はあるが、右翼ブランコはもろ刃の剣であることを、いきなり突き付けられた。【八反誠】

 [2011年2月16日10時15分

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