東北勢が聖地で勝ちどきを上げた。2年ぶり出場の青森山田は3回までに6点を奪い、粘る遊学館(石川)を6-5で振り切った。この日誕生日の向井那々瀬外野手(3年)が、同校OBの父が見守る中で2安打1打点と活躍した。春夏通じて甲子園初出場の東日本国際大昌平(福島)は、2-1で白樺学園(北北海道)との接戦を制した。照沼佑崇投手(3年)が6安打1失点で完投し、初陣勝利に導いた。初戦白星の両校は13日の2回戦第2試合で対戦する。
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青森山田のバースデーボーイが躍動した。3点リードの3回2死一、二塁、向井がフォークを捉え、右翼への適時打を放った。1打席目にも右前打を放っており、2安打1打点の活躍で初戦突破に貢献した。この日は18歳の誕生日。朝から仲間に祝福を受けており、「本当にチームがまず1勝できた。それだけで最高です!」と、幸せづくしの1日となった。
青森山田の門をたたくきっかけは父だった。同じく高校球児だった父淳美さんは同校OB。99年の81回大会では、ベンチ入りはならずもスタンドからの応援で甲子園8強入りを支えた。向井も青森県出身だが、父の仕事の関係で小学校途中から山形へ。高校を選ぶにあたり、父と同じユニホームを着ることを選んだ。「父が悔しい思いをした分、自分が甲子園に出て活躍するという思いで入学したので…。父の分までと思って頑張りました」。
背負った思いを信念に、武器の打撃をさらに鍛え抜いた。部員77人とメンバー争いも激しいが、春の県大会からスタメンに定着。最後の夏も堂々と聖地へとたどり着いた。この日スタンドから見守った淳美さんも「自分は立てなかった舞台で、自分の分もと連れてきてもらえたことが、とてもうれしい」と、頼もしく白球を追う息子の姿を目に焼き付けた。
同校の最高成績は2年前の4強。今の3年生はその躍進ぶりを肌で感じた世代だ。それでも向井は「もう1戦必勝で、優勝を見過ぎないで目の前の試合に全力を注いで、結果的に優勝できればいいなと思います」と勝利を積み上げ、最高の夏にする。【高橋香奈】

