ソフトバンク甲藤啓介投手(27)が18日、キャンプを離脱して緊急帰福する。17日の練習で右肘痛を訴えた。福岡市内の病院で検査の予定だが、最悪の場合、手術の可能性もある。長期離脱となれば、勝利の方程式SBM48は崩壊。投手陣再編成を迫られる。

 超大型補強を行い、日本一に向けて充実のキャンプを行っているソフトバンクに、今季最初の危機が訪れた。中継ぎ右腕の甲藤が、右肘痛のため緊急帰福することになった。昨季チーム2位の65試合に登板し、無敗とフル回転の大活躍。今季、摂津の先発転向プランなどでもカギを握る右腕が長期離脱となれば、チームにとって大きすぎる痛手となる。

 高山投手コーチ

 自分なりにオフからしっかり調整してくれていたけど、去年あれだけ投げた疲労も関係しているかもしれない。こうなってしまった以上、しっかり治してもらうことが最優先。時間がかかるかもしれないが、しょうがない。

 甲藤は18日に宮崎を離れ、福岡市内の病院で検査を受ける。最悪の場合手術を受ける可能性もある。この日もブルペンで40球を投げたが、15日の紅白戦で球が高めに浮く場面が目立つなど、昨季のような投球ができていなかった。

 責任感が強く弱音を吐かない右腕は、自身が担う役割の大きさを理解していただけに、今キャンプでも多少の痛みをおして投球練習を行っていた。首脳陣が摂津の先発転向プランを考えているのも、甲藤が昨季の摂津の役割を担えると踏んでのもの。森福、金沢ら他の中継ぎ陣の状態にもよるが、甲藤が長期離脱となれば、摂津の先発転向プランも白紙となる可能性もある。

 昨季は65試合に登板しただけでなくシーズン前半にはリードされた場面でも登板し、ブルペンで登板に備えたのは144試合中138試合。肘や肩の疲労から痛みを抱えてキャンプインしたとみられ、ブルペンでの球数も昨季より控えていた。

 「検査してみないことには何も言えないですけど、3月のオープン戦で投げたい気持ちはある」。

 気迫を前面に押し出す投球で昨季大ブレークを果たした右腕の肘の状態が、チームに大きな影響を及ぼす。【倉成孝史】

 [2011年2月18日11時5分

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