<オープン戦:日本ハム9-11ヤクルト>◇3日◇札幌ドーム

 スタンドと首脳陣の期待に一発回答で応えた。骨折で離脱した小谷野に代わって4番で起用された日本ハム中田翔内野手(21)が、5回2死一、二塁の場面で、今季本拠地初アーチとなる3ランを左翼席にたたき込んだ。「うまく反応して打てたと思います。いいところでしっかり打ててよかった」。これで実戦14試合で7発。沖縄から届く柵越え量産の便りが、幻ではなかったことを地元ファンに証明した。

 相手は速球派のヤクルト増渕。1回には144キロ直球に手が出なかった。「見逃し三振してしまったので、食らいついていこうと」。1打席目とは配球が異なりスライダーが2球続いたが、しっかりと引きつけた。飛距離が出ないと言われる低反発球の影響もなし。「バットのいいところでとらえたら飛距離は変わらない」と頼もしかった。

 公式戦、オープン戦を通じて1軍では初めての4番だった。1年目のキャンプ中の練習試合で4番に入っているが、状況はまったく違う。それでも「何も思わないですよ。4番目という考え方。自分ができることをやるだけ」と気を引き締め、打席へ向かった。その精神的な変化が、結果に結びつく。梨田監督は「すごく成長期にある」と言った。昨夏のブレークは、ただの前触れでしかない。【本間翼】