<オープン戦:中日5-3オリックス>◇5日◇ナゴヤドーム

 オリックスの故障者リストに岡田彰布監督(53)まで追加?

 4日から腰痛を訴えた指揮官はノックバットをつえにして中日戦を指揮。キャンプから続く負傷連鎖にボスまで巻き込まれた上、開幕投手有力な朴賛浩投手(37=パイレーツ)は4回5失点で降板した。幸いにも、2人とも“軽症”だったことは救いか…。

 やってもうたわ-。グラウンドに乗り込むボスにいつもの威風がない。ゆっくり、慎重だ。練習中、ノックバットに寄りかかるのは日常の光景だが、グラウンドからベンチに戻る2段の階段をおそるおそる降りた。「いったいわあ」。キャンプではエース金子千に近藤に加え、北川も負傷離脱。米大リーグの故障者リスト「DL」の名称を採用したが、そこに岡田監督の名前が入ってしまった。

 中日戦に備え、4日は新大阪から名古屋へ移動。「新幹線乗ってるときから張っとった。腰ポンポンしとったやろ」。この日は、はり治療を受け、腰にサポーターを巻く応急処置。「つえ、いるわ。立ってる時はええけど、立ち上がったり座ったりがな」と、ノックバットをつえ代わりに顔をゆがめた。「あまり(ベンチから)立たんようにせんとな。審判に来てもらうわ」。審判団も配慮して“特別ルール”を認め、選手交代もベンチから出ずに済んだ。

 波乱含みのゲームはメジャー124勝の朴賛浩が集中打を浴びた。2回、先頭から3連打で1失点、3回も谷繁の3ランなど4連打で4失点。4回7安打5失点で予定の80球を終えた。開幕有力候補に疑問符がつきそうだが、本人は韓国語で大丈夫を意味する「ケンチャナヨ」を繰り返した。

 朴賛浩

 4イニングしか投げられなかったのは残念。ただ自分が投げたい球は投げられた。ストライクは51球、ボールは29球。失投は3球だけで、そのうちの1球を本塁打にされただけだし、心配はしていない。

 開幕まで不安かと問われた岡田監督も「そんなん(評価は)全然変わらへん。これが最終登板なら困るけどな」と流した。実戦練習で目立ったボークもこの日はゼロ。「ブルペンでもセット(ポジション)で投げとったからな」と成長の跡を認めた。自らも試合中、立ち上がって腕組みしてタクトを執っており、どちらも“軽症”で済んだようだ。【押谷謙爾】