真弓阪神が、若虎に開幕1軍を懸けた追試を課すことを決めた。対象はボーダーラインにいる坂、新井良、上本、柴田、野原祐、森田の6選手。予定では今日8日の西武戦(皇子山)が最終試験だったが、14日巨人戦(岐阜)までの5試合を追加した。白のタテジマをまとう主催6試合が試験会場だ。

 和田打撃コーチは「あと1試合と言わず、もう少し見てみようと思う」と説明した。開幕まで3週間を切り、本来より少数精鋭で臨む時期。だが5日横浜戦(レクザム)で森田が3点二塁打を放ち、上本が同日の2軍主体で臨んだ近大戦(鳴尾浜)で逆転サヨナラ弾を放つなど、土壇場で存在感を見せた。「力を出し始めているし、ここで切らずに力を見てみてもいい」と和田コーチ。急きょ方針を変更した。

 2軍降格寸前で生き残り、試合に備えて滋賀入りした森田も燃えていた。「せっかくチャンスをもらったので積極的に思い切っていきたい」。初めて1軍キャンプに抜てきされたが、実戦で結果が伴わなかった。だが真弓監督の指導もあり、3月になってようやく力を発揮。5日に続いて6日の同カード(倉敷)でも9回代打安打を放ち、逆転サヨナラの口火となった。初の開幕1軍へ、追試は願ってもないアピール舞台だ。

 12日の中日戦(甲子園)から故障明けの金本と城島が出場する。だがともに出番は数打席限定で、その分若虎にチャンスが巡ってくる。中堅争いは6日横浜戦でサヨナラ打を放った俊介が抜けたが、続く若手の台頭がほしい。悪く言えば決め手を欠いている。16日ロッテ戦(QVCマリン)から組む開幕布陣を前に、合格するのは誰か。興味深い6番勝負が始まる。【松井清員】