<オープン戦:ソフトバンク0-3巨人>◇9日◇福岡ヤフードーム
日本ハム斎藤と同い年のソフトバンク山田大樹投手(22)が6回を1安打に封じた。3四球を出した5回に無安打で決勝点を許し負け投手となったが、8奪三振と内容では強力打線を圧倒。巨人戦で勝利した佑ちゃんに負けじと、タカの“育成王子”が盟主相手に輝いた。
今季の大活躍を予感させる輝きだ。初回。1死一塁で、打席に同い年の巨人坂本を迎えた。山田は2球であっさり追い込む。3球目に選んだのは、オフにオーストラリアのウインターリーグで習得したツーシーム。きっちり外角低めに投げ込み、見逃し三振を奪った。
「(坂本は)少し意識をしました。(ツーシームは)坂本に投げた2球だけです」。
ライバル心を燃やす同い年の好打者から三振を奪うと、2回には圧巻の投球だ。小笠原、阿部、高橋の球界を代表する左打者を3者連続三振。小笠原、阿部に対しては決め球に内角高めの直球を投げ込むなど、気後れすることなく巨人打線に向かっていった。
5回に3四球で唯一のピンチを招いたものの、6回を1安打1失点で8奪三振。エースのような安定感で強力打線を手玉に取った。
「インコースが課題だったけど投げられた。三振はあくまで結果。狙うなと言われているし、自分でも狙っていない。今日は出来すぎです」。
「佑ちゃん世代」NO・1の雑草が、大輪の花を咲かそうとしている。6日に巨人から白星を挙げた日本ハム斎藤も同い年。だが、ここまでの道のりは違い過ぎる。斎藤が甲子園を沸かせた06年のドラフトで育成枠入団。結果を残せず09年オフには3年契約が切れた。王会長に素質を見いだされ、再契約後の昨年3月に支配下契約。6月に育成出身投手としてはパ・リーグ初の白星を挙げた。
斎藤や巨人沢村、坂本ら同い年の“スター”らと面識はない。昨秋にはドラフト中継を見ながら「知ってる(仲のいい)人おらんかった」と笑った。昨季は4勝を挙げたが全国的な知名度はまだ低い。それだけに今季のマウンドでは誰より目立ってみせるつもり。巨人相手の力投が、その気持ちを十分に示した。
「相手が巨人で自分自身がどう向かっていけるか、と思っていた。(結果は)自信になる」。
堂々の開幕ローテーションとしてシーズンを迎える。雑草が、世代NO・1左腕へのつぼみを開かせ始めた。【倉成孝史】



