ソフトバンクが、今季海外FA(フリーエージェント)権を取得見込みの和田毅投手(30)と川崎宗則内野手(29)に対して「生涯ホークス打診」を行っていたことが27日、分かった。今月に入り、グループ本社の取締役を兼任する笠井和彦球団社長兼オーナー代行(74)が、正式にFA残留要請を行ったもの。4月には杉内俊哉投手(30)が国内FA権を取得する前に残留要請しており、主力流出阻止へ猛アタックだ。

 来るべき日へ、ソフトバンク球団が早くも動き始めていた。編成・育成部門を束ねる小林至球団取締役(43)は、この日までに川崎と和田に対して、事実上のFA残留要請を行ったことを認めた。「こちら(球団)の思いは先日伝えました。ぜひ、残っていただきたい、と」。このまま1軍登録を外れなければ、川崎は6月19日に海外FA権を取得し、和田は9月3日に同権利の資格日数に到達。関係者の話を総合すると、今月20日前後に川崎と和田に対する生涯ホークス打診の席が設定されたようだ。

 権利取得前の早期アタックに、球団の流出阻止への願いが込められている。球団からは笠井オーナー代行が出席。詳細の条件提示は見送られているが、球団の姿勢を正式に伝える場になったとみられる。両選手はまだ海外FA権を取得していないが、今後シーズンが進むにつれてナーバスな時期に入るだけに、この時期の残留要請になった。

 ソフトバンクは、4月15日に国内FA権を取得した杉内に対し、開幕直前の同9日に笠井オーナー代行が生涯ホークスを要請しており、同様の手順を踏んだ格好だ。

 今オフまでに球団は提示条件を決定するが、4~5年の複数年契約を準備するのは必至。両選手はメジャー志向があり、今オフの動向が注目されるの間違いない。グラウンドで独走態勢を築き始めたソフトバンクが、シーズン後に向けても、抜かりなく準備を進めている。