ソフトバンク内川聖一外野手(28)が2日、痛みを抱える右太もも裏について「怖さがある。迷惑をかけてまでプレーできない」と慎重な発言を行った。全体練習を回避して治療に専念し、3日阪神戦(甲子園)に向け関西へ移動した。貯金17で交流戦優勝マジック10が点灯した好調なチーム事情もあり、大事をとって阪神戦を欠場する可能性も出てきた。

 独走態勢を固めるタカで「不動の3番」が慎重になった。右太もも裏の張りを抱える内川は、移籍後初めて全体練習を休んだ。患部を電気、はり治療。博多駅から新幹線で遠征先の関西へ向かった。本人の口からは珍しく、弱気な発言が飛び出した。

 「正直良くない。怖さがある。迷惑をかけてまでプレーするのもどうかなと思う。昨日(1日)から今日は練習メニューを控えるように言われていた」。

 1歩間違えれば、肉離れで長期離脱となるけがを抱えながら強行出場していた。手負いの状態で打ちまくり、貯金17、10連勝に貢献した。普通ならリーグ首位打者の欠場は大きな痛手となるはず。秋山監督は「抹消していないということはね。そういうこと。(遠征に)行くよ。出るんじゃない」とはぐらかした。チームは絶好調なだけに、夏場の勝負どころを見据えて内川を休ませる選択肢もある。

 試合に出たいという気持ちは強い。一方で、今まで経験しなかったという筋肉系の故障に慎重な姿勢になるのは当然だ。

 「もちろん、出たいですよ。センターでもレフトでも、やっている方としてはそんなに変わらない。球を捕球する時に痛みというのはずっとあった。決めるのは監督ですが、試合に出るとすれば、全力を尽くすだけということになる」。

 けがには慎重だが、士気は高い。通算1000本安打まで、あと5本。あくまで通過点の記録だが、強行出場すれば、阪神2連戦で到達する可能性もある。

 「正直、そのことについてはあまり意識していないです。1本1本を積み重ねるだけなので」。

 1日の中日戦で6年ぶりの10連勝を達成し、交流戦優勝へのマジック10が点灯した。パ・リーグでも交流戦でも首位を走る無敵の集団。内川が欠場となれば、大きな戦力ダウンだが、あえて休ませる余裕があるともいえる。【奈島宏樹】