<ロッテ1-0日本ハム>◇6日◇QVCマリン

 お立ち台に立ったロッテ小野晋吾投手(36)は、この機会を待っていた。「やっとマリンフィールドで勝つことができました。今日は、本当に、うれしんごです」。武骨な雰囲気すら漂わす右腕の突然の一発ギャグに、ライトスタンドのファンは爆笑しながらずっこけた。「うけましたか?

 良かったです」。ベンチ裏では少し赤面しながら振り返った。実は、昨オフから極秘進行中だった「うれしんごTシャツ」。その先取りだった。

 まさに、うれしんごなのも納得できる投球だった。代名詞のシュートだけでなく、この日はスライダーがキレた。反対に曲がる球種が切れ味を増したことで、ストライクゾーンを幅広く使えた。8回2死二塁、陽を空振り三振に仕留めたのも、スライダーだった。

 小野は理想のスライダーを追い求めていた。「2000年や2001年のころは本当にスライダー頼みでした」。そのころの軌道が脳裏を離れなかった。だが、近年はスライダーにキレがなく、カットボールで代用し、しのいできた。

 スライダーを取り戻したきっかけは、サイドスローへの転向を考えたことだった。渡辺俊とのキャッチボールで投げた1球が、驚くほど曲がったことから決意。昨季終了後、肩痛のためサイド転向は流れたが、スライダーの感覚は残すことができた。9回のマウンドは薮田に託し、5年ぶりの完封は逃したものの、堂々たる8回0封。滑るスライダーに滑らないギャグ。小野が新境地を見せた。【竹内智信】