<オールスターゲーム:全パ5-0全セ>◇第3戦◇24日◇Kスタ宮城

 日本ハム稲葉篤紀外野手(38)が、7度目の出場で初のMVPを獲得した。お立ち台では「被災地の皆さんが頑張っているので、僕も一生懸命頑張ろうと思いました」と、真っ先に特別な思いを口にした。

 復興への思いを込めた1発は、初回1死一塁で飛び出した。ヤクルト由規の152キロ速球をとらえ、右翼席へ先制2ランをマーク。オールスター初本塁打を放った22日の第1戦に続く、今球宴第2号。仙台出身で注目右腕からの1発に、「由規君を楽しみに来ている人が多いから、ちょっと水を差してしまったかな」と気遣いの男らしいコメントも。「でも、こういう勝負の世界を皆さんに分かってもらえたかなと思う」と、真剣勝負でファンの期待に応えた。

 アンチエイジングな活躍の裏には、今季から取り入れたサプリメント効果もあった。もともとお酒を飲まないが、さらに“サプリおたく”のダルビッシュから教えてもらったサプリを摂取し、これまで以上に体調管理に気を配るようになった。この日も3回に右前適時打、7回に右翼線への二塁打を放ち、3安打3打点の活躍の一因となった。MVPの賞金300万円の使い道については「仙台の地でとったので被災地の子供のためにということも考えています」と、全額寄付することも検討している。【鳥谷越直子】