守護神不在のソフトバンクが緊急補強に乗り出したことが27日、明らかになった。156キロ右腕、イェンシー・ブラゾバン投手(31=ダイヤモンドバックス)の獲得が大筋合意に達し、今日にも獲得が正式発表される。常時150キロを超える直球と高速スライダーが武器。05年にドジャースで21セーブを挙げたクローザーは8月上旬の来日、チーム合流を目指す。

 ソフトバンクがリーグV2へ、救援陣の立て直しにかかった。ストッパー馬原が右肩の筋肉断裂で不在となった守護神の座。身長185センチ、114キロの大型右腕を緊急獲得する。

 白羽の矢を立てたのは、今季ダイヤモンドバックスにリリーフ要員として所属していたブラゾバン投手。156キロの直球と高速スライダーを最大の武器とするクローザーの新加入を進めることになった。

 最大の懸念が解消される。馬原が離脱したことで、ソフトバンクはセットアッパーのファルケンボーグを暫定守護神に指名していた。ただ、ファルケンボーグは3日連続登板がこれまでなく、過去に右肘を痛めたことがあるだけに、今後も連投は2日までを基本線としている。

 金沢、森福らに抑えを任せば、その分、中継ぎ投手の層が薄くなる。ブラゾバンは連投制限もなく三振を奪えるタイプとみていて、守護神の座を託すのに最適の投手と計算した。

 実績は十分だ。04年にドジャースでメジャーデビューすると、05年には同球団でクローザーを務めて21セーブを挙げた。昨年までの2年間はメジャーの舞台から遠ざかっていたが、今季ダイヤモンドバックスで復活。今季終了までの契約は大筋合意に達しており、今日28日にもソフトバンク球団が獲得を発表する。8月上旬の来日を目指しており、フィジカル面でも来日即1軍合流が可能なようだ。

 ソフトバンクは今シーズン前に新外国人のカブレラにFAで内川、細川と野手陣を強力に補強した。分厚い打線は、投手陣をバックアップし、ここまで日本ハムと首位を争うなどペナントレースをリードしてきた。だが馬原は8月戦線の復帰が難しく、守護神不在はV逸にも直結しかねないアキレスけん。今回の緊急補強は、リーグ連覇、悲願のクライマックスシリーズ制覇、日本一にかける球団の思いの表れでもある。メジャー通算122試合に登板した右腕が、ホークスの新たな仲間になる。

 ◆イェンシー・ブラゾバン(Yhency・Brazoban)1980年6月11日、ドミニカ共和国生まれ。04年に米大リーグ・ドジャースでメジャーデビューし、同年31試合に登板。翌05年には74試合に投げ、抑えとして21セーブを挙げる活躍をした。09、10年はメジャー登板なし。今季ダイヤモンドバックスで6試合に登板していた。メジャー通算122試合に投げ、21セーブ。185センチ、114キロ。右投げ右打ち。