<ソフトバンク4-3オリックス>◇16日◇福岡ヤフードーム

 守備復帰即アーチだ!

 内川聖一外野手(29)の逆転8号2ランでソフトバンクがオリックスに競り勝った。1点を追う5回、左翼へ特大の本塁打を放った。右太もも裏肉離れの影響で約2カ月ぶりの守備についた途端、攻守で勝利に貢献した。左太もも裏痛のカブレラ、背筋痛のファルケンボーグも復帰し、首位ソフトバンクに死角がなくなった。

 流れを変えたい-。安打製造機が、あえて長打に狙いを定めた。5回2死一塁。内川は内角シュートを大振りした。芯でとらえた打球は左翼中段へ突き刺さる。ホークスファンの大声援を一身に浴び、気持ち良くダイヤモンドを一周した。

 「あそこは内角の球を狙いました。あえて引っ張ろうと。自分は長距離砲じゃない。打撃フォームを崩す可能性もあり、危険な賭けだった。めったに打てない完ぺきな本塁打を打てたことはうれしい」

 3番右翼で先発した。右太もも裏肉離れの影響で指名打者で出場していて、守備についたのは6月19日横浜戦以来。約2カ月ぶりの守備が打撃にも好影響を与えた。離脱前に3割6分3厘だった打率は7月27日に復帰して以降、急降下。昨季までセ・リーグでプレーし、DHで出場した経験がなかった。凡打した時に気持ちを切り替えることが難しく打撃フォームを崩した。不振に陥った原因のひとつでもあった。

 「自分は守備は下手ですよ。精いっぱいです。何も覚えてません。でも、DHの難しさを経験したこともプラスになったかも」

 勝利をささげたい人がいた。主将の小久保だ。6月に内川が離脱した時は「お前が帰ってくるまで頑張るから」と言ってもらい感激した。打撃に対する考え方も似ている。同じ打撃フォームで打つことはできない。だから、常に今の自分に合う打撃フォームを探す。以前の打撃フォームが映ったVTRをあまり参考にはしない。2人の共通の考え方だ。横浜時代は味わえなかったチーム一丸となって勝利を狙う大切さを再認識させてくれた。小久保が使用していた赤い手袋をもらい、小久保の抹消後はずっと打席でつけている。

 「小久保さんに打たせてもらったかもしれない。あれほどチームのことを考えている人はいない」

 秋山監督から「あの一発だな。良かった」と絶賛された。カブレラ、ファルケンボーグも戻ってきた。内川も復活の兆しを見せた。このまま首位を突っ走る役者がそろった。【奈島宏樹】