<楽天1-2ソフトバンク>◇28日◇Kスタ宮城

 「裏3冠王」が大仕事だ。ソフトバンク本多雄一内野手(26)が連敗脱出の決勝打だ。延長10回表に左前タイムリーを放った。盗塁、犠打、得点の3部門でリーグ単独トップを走るいぶし銀の2番打者が、連敗を2で止め、チーム5年ぶり8月月間勝ち越しをもたらした。2位日本ハムに5ゲーム差とし、このまま独走態勢に入る。

 連敗脱出の扉を、本多がバットと足でこじ開けた。延長10回表。2死二塁。3時間半ルールのため、凡打すれば勝利がなくなる寸前だった。楽天片山の外角球をジャストミート。左翼線に弾む決勝タイムリーだ。負ければ対楽天で初の5連敗となるところだった。最も緊迫する場面でシャープな安打。本多自身、大仕事に興奮した。いつもより早口で振り返った。

 本多

 みんなの勝ちたい気持ちが打たせてくれた。何が何でも勝つ。試合前から、みんなでそう言ってましたから。

 この日2度も試合を動かした。3回先制シーンにも絡んでいた。1死から四球を選ぶと、リーグ単独トップに立つ43盗塁目の二盗を決めた。次打者内川の中前安打でホームを踏んだ。前夜まで2戦連続完封負けしていたチームにとって、24イニングぶりの得点だった。本多の62得点も、リーグトップ。初回には送りバントを決めており、41犠打もリーグ最多だ。5回の二盗で44盗塁と、試合前には同数で並んでいた楽天聖沢に2個差をつけた。盗塁、得点、犠打と3部門トップ。少しばかり地味な「裏3冠王」だが、チームへの貢献度は計り知れない。

 本多

 (2盗塁は)通過点です。1つ1つ積み重ねて走っていきたい。(チームは)これから1敗もしないくらいの気持ちで戦っていきます。

 チームは壁も突き破った。昨年まで4年連続で8月は月間勝ち越しがなかった。だが、好調楽天を止め、今季は2試合を残して5年ぶりに苦手な月を制した。猛暑にもへこたれなかったチームなら、悲願のCS制覇にも夢はふくらむ。その前にあるはずの歓喜のリーグ連覇へも大きな勝利だ。2位日本ハムとは再び5ゲーム差。さえぎる敵が消えつつある。

 秋山監督

 勝つことが大きいんだ。

 強力投手陣に、1発を秘める豪華打線。さらに、裏3冠王までいる。あとは、ゴールに突き進むだけだ。【松井周治】