<中日3-6阪神>◇30日◇ナゴヤドーム

 42歳の阪神桧山進次郎外野手(42)がベテランの味を存分に発揮した。1点リードの7回1死三塁、左のサイドハンド小林正との対決。前進守備のシフト、フルカウント、直前には膝元を襲う内角球もあった。煮詰まった場面に立ってもクールに頭の中を整理した。

 桧山

 (内角球を)意識しすぎてもあかんし、一塁も空いている。いろんな状況を考えながら、ただバットに当てれば、何とかなる。抜けてくれる可能性が高いと思って、当てた。

 内角低めのスライダーを拾って適時右前打。リードを2点に広げる一打は、131本目の代打安打。中日川又に並ぶリーグ3位に躍り出るメモリアル安打だ。和田打撃コーチは「打席に入るまでの準備がすばらしい。それで結果もついてくる」と絶賛。「代打の神様」は相手投手の右左に関係なく勝負強さを発揮した。

 お膳立てをしたのは、22歳の森田だ。7回先頭の3打席目。ネルソンから右翼線に痛烈な打球を放った。「小ブラゼル」は迷うことなく二塁に全力疾走。無死二塁のチャンスを作った。

 森田

 1、2打席目の感覚も悪くなかった。和田さん(コーチ)に「下半身が浮いている」とアドバイスをもらったので意識した。

 ネルソンは7月26日に甲子園で球団初のプロ初打席初本塁打を放った相手だ。「キラー」としてスタメン起用された期待に応えた。

 桧山と森田の20歳差コンビで奪ったチーム3点目。若手とベテランががっちりかみ合って、鬼門での白星に貢献した。【益田一弘】