<ヤクルト2-10広島>◇8月31日◇神宮
首位ヤクルトが本来の姿を見失っている。象徴的だったのは6回の一塁走者・青木宣親外野手(29)の走塁ミス。三塁内野安打で、一気に三塁を狙い、迷わず二塁を回ったが、広島の三塁バーデンに狙いをあっさりと見透かされ、一塁ではなく二塁に送球されてタッチアウトとなった。「流れを変えたかった」との思いが、暴走に。青木は「自分の判断が悪かった」と猛省。小川淳司監督(54)も「お粗末でしたね」とため息を吐いた。
青木は打撃でも状況を見誤った。1点を追う3回の攻撃。1死二、三塁の絶好機で三直に倒れ、飛び出した三塁走者の宮本も戻れず併殺となった。深めに守った広島の内野陣の中で、三塁手だけがベースに近い場所に詰めていた。初球を最もリスクの高い方向へはじき返した打撃に、小川監督は「結果は仕方がないと思う。ただ、そういう状況を分かっていたのかどうかが大事」と、厳しかった。
後続の足音が気にならないはずはない。8月は7勝15敗3分けで終了し、気が付けば2位巨人が1・5ゲーム差まで迫ってきた。常に冷静な状況判断ができる「野球偏差値」の高さがヤクルトの最大の強み。そういうチームの一番大事な土台が「焦り」によって崩れ始めているのかもしれない。
2日からの巨人3連戦では首位陥落の可能性もある。打つ手が見当たらない状況だが“悪夢の1カ月”が終わったことだけが心の救いだ。小川監督は「楽観的かもしれませんが、今日で8月が終わってくれた。明日から9月ということで1つの精神安定剤というか、切り替えてやるしかありませんね」。宮本も「ここで切れてしまったら、今までやってきたことがムダになる。あがいてあがいて、泥くさく、かじりついていきたい」と、自分自身に言い聞かせるように話した。【広瀬雷太】



