<楽天4-3西武>◇8月31日◇盛岡

 楽天井坂亮平投手(26)が燃える若武者を返り討ちにした。西武戦で6回を3安打無失点と危なげない内容。故郷での登板となった西武菊池雄星投手(20)との対決を制し、7月13日ソフトバンク戦以来となる今季2勝目を挙げた。チームは連勝を収め8月は貯金2でフィニッシュ。星野監督の信頼もぐっと取り戻し、勝負の9月に向かうチームをさらに勢いづけた。

 みちのくシリーズの主役は譲れなかった。名前が呼ばれただけでスタンドが盛り上がる盛岡のヒーロー菊池を相手に、井坂は低めにボールを集めて丁寧にアウトを積み重ねた。立ち上がりは3回まで1安打ずつを許したが後続を断ち、4回以降は無安打。菊池との対決にも「本当に自分の投球を心がけていたんで、そういう意識はなかった。自分の投球ができた」と気負うことなく投げ勝ち、先輩の意地を見せて胸を張った。

 先発ローテーションの座をかけた背水のマウンドだった。前回8月24日の日本ハム戦は内容の悪さから3回2失点で降板。白星からは1カ月以上も遠ざかり、苦しむ中でフォームの修正を試みた。「下げたというより下がった。今までは腕を上に上にという意識があった」と、肘の位置を低くしたマイナーチェンジでコントロールが安定。星野監督が「ああいう感じで低めにきちっと投げていければ、ローテにはまってくれるかな。すごく自信になったんじゃないか」と信頼を口にする危なげない内容だった。

 降板後にリリーフ陣が3点を失い1点差に詰め寄られたが、8回を青山、9回をラズナーが締めて待望の2勝目をつかんだ。先制3ランの山崎と並んだお立ち台。「何度も投げさせてもらったのに結果が出ていなかった。使ってもらった監督、コーチの皆さんに感謝しながら、チームの勝利に貢献しようと思っていました」と盛岡のファンに喝采を浴び、1勝の重みをかみしめた。

 連夜の1点差勝ち。しびれる試合で連勝を収め、8月は貯金2で終えた。星野監督は2カ月連続の勝ち越しに「まだまだ。そんなことは10ぐらい勝ち越してから言ってよ」と笑う。西武菊池から4点を奪った打線には「あの程度のピッチャーは5点くらい取らないといかんね。4点は取ったけどもう少しね。武司が1発打ってくれたから助かりました」と話した。安定感を維持するリリーフ陣に、先発ローテも厚みを増してきた。秋への手応えは十分だった。【大塚仁】