<広島4-0中日>◇4日◇マツダスタジアム

 主砲の一撃で勝負を決めた。広島がAクラスを争う中日戦で快勝した。試合の行方を決めたのは4番の栗原健太内野手(29)だ。1点リードの5回に左翼へ13号2ランを放ち、貴重な追加点を挙げた。序盤は2度の満塁機で凡退したが、帳消しにするひと振り。先発前田健も7回0封で8勝目。投打の軸の活躍で連敗が2でストップ。ヤクルトが負けて自力優勝の可能性も復活し、再び上位をうかがう。

 移り気な「勝利の女神」を力ずくで振り向かせたのは栗原だ。意地、誇り、自信…。ひと振りにありったけの感情を込め、白球にぶつけた。1点リードの5回無死一塁。山内の甘く真ん中に入るスライダーを見逃さない。鋭く振り切ると、高く舞い上がった打球は左中間席へ。3点差に広げ、中日に大きなダメージを与えた。

 栗原

 凡退していたし、何とかしようと打席に入っていた。抜けてきた感じの球を、うまく残って、ためて打つことができた。もっと先に点をね。1打席目、2打席目に点を取っていれば楽な展開になっていた。マエケンが頑張っているなかで何とかしたかった。

 感情のコントロールが難しい第3打席だった。1回無死満塁、3回1死満塁。2度の絶好機に倒れ、先制できなかった。気負いや力みが生じても無理はない場面だったが、4番は頭をクリアにして打席に入ったという。カウントを整えようとする山内のスライダーに狙いを定め、迷わずに振り切った結果だった。野村監督もタフな精神力を認める。

 野村監督

 (栗原)ケンタが強くなったと思います。3打席目でチームの勝ちにつながる1発。(好機で)全部打つのは難しい。同じ投手だったし、本人も自信になったんじゃないですか。

 8月は9本塁打を量産するなど調子が上向き、本来の打撃を取り戻した。この日で68打点となり、打点王レースも優位に快走する。好調の要因を「打席のなかで幅が広がったというか、懐が広い感じです」と分析する。ミートポイントにゆとりが生じ、的確にたたけるようになった。本拠地での試合日は早く球場を訪れ、打撃の感覚をチェック。好感触を保つ工夫が、好結果に結びついている。

 チームの連敗を止め、明日6日からは上位を競う阪神、巨人とのロード6試合が待ち構える。プロ通算150本塁打に王手をかけた栗原は豪快に笑う。「まだ150なんで恥ずかしいですよ」。頼れる4番がクライマックスシリーズ進出への道のりを照らす。【酒井俊作】