<阪神9-3広島>◇8日◇京セラドーム大阪

 野村カープががけっぷちに追い込まれた。阪神に3連敗を喫し、借金が7月30日以来の「5」にふくらんだ。3位巨人とも3・5ゲーム差に開いた。残り35試合。クライマックス・シリーズ(CS)に進出できる3位以内へ、これ以上の連敗は許されない。今日9日からの巨人3連戦(東京ドーム)で勝負をかける。

 うつむき、無言の行列がバスへと続く。重苦しい雰囲気が、失った勝ち星の重さを物語っていた。上位争いでやってはならない同一カード3連敗。それも、守備のミスが引き金になった大量失点では、打線にはね返す力はなかった。

 渋い表情の野村謙二郎監督(44)はいったん「もう、今日はええじゃろ。話すことないわ」と言ったが、報道陣から問われると、失点場面を振り返ってため息をついた。

 「野球はミスしたら勝てないということですよ。ミスが3つ重なっているし…走者をためて…あそこだけですよ。打たれるのは仕方がないが、ミスではね…」

 立ち止まることなく、それだけ話すと足早にバスの中へ消えた。

 指揮官の指摘する3つのミスとは、3回、先発篠田が先頭打者の一ゴロでベースカバーが遅れたこと。一塁走者へのけん制が悪送球になったこと。そして直後に四球を与えてピンチを広げたことを指す。そこからつるべ打ちにあって7点を奪われ、勝負は早々に決してしまった。

 コツコツ返済してきた借金が、7月30日以来の「5」に増えた。CS争いで標的になる3位巨人とも3・5ゲーム差に開いた。残り35試合でこの差を詰め、逆転するのは容易ではない。指揮官は前日「起爆剤的な選手が出てこないと苦しい」と打線の奮起を願っていた。

 幸い、主軸栗原のバットは好調を保っている。この日も1回に阪神能見から左中間を破る先制タイムリー二塁打を放つなど2安打した。栗原は「あそこはうまく粘れた。ぐっと(体が)残って最後にバットが出た。流れが良くないが、なんとか頑張っていくしかない」と前を向いた。

 今日9日からは、敵地東京ドームで今季5勝12敗1分けと大きく負け越している巨人との3連戦が待つ。重苦しいムードを一変させることができるか。カープの底力が今、問われている。