<西武0-3ソフトバンク>◇1日◇西武ドーム

 「陰のMVP」候補らしい働きだった。ソフトバンク本多雄一内野手(26)が、持ち味を発揮して優勝決定に貢献した。7回。四球で出塁し、楽々と今季54個目の盗塁に成功。貴重な3点目のホームを踏んだ。5回には今季51個目の犠打を決め、2年連続で犠打数も盗塁数も50を超え、ともにリーグトップ。内川につなぐ打線のキーマンは「最後の最後まで投手が頑張ってくれたんで、打線も応えないと、という思いだった」と振り返った。

 昨季は59盗塁で初のタイトルを獲得したが、走攻守でさらなる高みを目指した。キャンプから、リードの際に右6左4だった重心を左6右4に変更。踏み出す左足への比重を高めた。「1歩目の強さ」を求め、強いスタート感覚を養うとシーズン中盤から元に戻した。終盤からは投手や試合状況で使い分けるようになった。「作戦的な意味もあるんで詳しく言えない」と話すが、昨季を上回る60盗塁でのタイトル獲得も射程圏だ。

 足だけでなく、6年目で初のシーズン打率3割も見えてきた。開幕前の準備が飛躍の源だ。「1人でゆっくり考えて、考える力をつけたい」と、佐賀・嬉野で単独自主トレ。こだわったのは1人でやること。母親の実家がある、のどかな地を選び、心を静めた。自分の弱点について徹底的に考える余り、眠れない日もあった。

 シーズン後も反省の日々だった。昨季の打撃映像を何度も見直し、安打が欲しいあまりボール球に手を出していたことに気づいた。「四球で出塁しても走って得点すれば、貢献できる」。四球数は、既に昨季の29を大きく上回る44。選球眼が高まったことが、打撃にも好影響を与えた。打って、走って、送って、守って、連覇に貢献した。【倉成孝史】