巨人の渡辺恒雄球団会長(85)は14日、都内で取材に応じ、横浜を保有するTBSホールディングス(HD)が球団売却の交渉を続けている件について、今月中に交渉が成立する見通しを明らかにした。TBSHDが来季も球団を保有する可能性について「まずないと思う。TBSはもう限界だ。どこかに売るよ」と明言し、「今月中に(売却先が)決まるんじゃないか。だけど大変だなあ。経営者が変わって監督をどうするか、選手補強をどうするか、いろいろやっていかなきゃいけないだろう」と話した。

 ただ、具体的な売却先については「どこかというのはギリギリのところでTBSも考えている。ごく少数の幹部で考えているから、僕もとやかく言えないし、言わない」と控えた。TBSHDは、ゲームサイト「Mobage(モバゲー)」の運営会社ディー・エヌ・エー(DeNA)など複数の企業と交渉中とみられる。かねて球団保有の条件に「品位」を挙げた渡辺会長は「TBSにも言ってあるから、大丈夫だと思う。品位ある企業が買うということだ」と話した。

 野球協約では球団を譲渡する場合、11月30日までに実行委員会とオーナー会議の承認が必要だが、「そこまでには決着する。規則だから。曲げるわけにはいかない。TBSは決めるよ」と明言。難航とみられていた球団売却の動きが一気に加速し、11月10日の実行委員会、その後のオーナー会議を経て決着の運びとなるかもしれない。